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  3. 20181124号 タイトル:“自立”を目指す子どもたち

今朝は手袋をして出かけました。そうでもしないと自転車のハンドルを握る手がかじかん でしまいそうでした。もうすぐ12月です。本当に早いですね。今年も残り1ケ月。今年は どんな一年でしたか、し残したことはありませんか。まだ1ケ月ありますので、ラストスパ ートでやれないことはないかも知れませんね。


武蔵寺の紅葉  2018.11.23筑紫野市天拝山山麓武蔵寺山門にて撮影

“自立”を目指す子どもたち

11月11日から18日まで8日間ほど今年もデンマークに行ってきました。森の幼稚園や 小中一貫校(デンマークは義務教育は小中一貫で0先生から9年生の10年間)、高齢者 施設、障害者施設、職業専門学校(※デンマークは義務教育後、半数の子どもたちは高 校に行かないで職業の技術習得の道を選びます)などを視察してきました。今日はその うちから職業専門学校についてご紹介しましょう。

今回の視察では「NEXT(ネクスト)」という会社が経営する職業専門学校を訪問しました。 二つの学校が合併して、デンマーク第二の規模を持つ総合的職業専門学校です。



デンマークでは義務教育期間中に自分の将来について考えます。具体的にどんな職 業に就きたいかを職場体験やキャリアカウンセリングなどを積み重ねて、子どもたちは 考えます。

義務教育を終える頃には、自分の進む道が決まり、それぞれに進学します。高校に進 学する子は約半数。残りの半数の子は職業専門学校に進みます。デンマークでは学歴 よりも資格や能力が評価されますので、高卒資格を就職のために条件として考えること はありません。どこの学校を卒業しているかよりも、何が出来るかが問われる社会なの です。

子どもたちは早くから“自立”について考えます。自らの将来設計を立てることが大切だ と教わります。早い段階から自分の未来にむけての明確なビジョンを持つことが子ども たちが幸せに成長していくエネルギーになるからです。日本のように“取り敢えず高校に でも行っておこうか”という考えはデンマークにはありません。

職業専門学校は様々な職種が用意されていて専門的な知識や技術を3年間で習得し ます。実習も給料が支払われますので、仕事という意識で真剣に向き合うことになりま す。在学期間中に実習先との関係が出来て、卒業後はそこへ就職する場合もあります。 学校側も企業などと提携していて実習先や就職先として繋がっています。

しかし途中で高校への転校や、違う職種の資格取得に変更したいなどの学生もいます ので、職業専門学校と高校、職種別などと共通するの単位が設けてあり、再チャレンジ を容易にしています。やり直しのきくシステムも用意されているのです。

今回は建築のコースと美容師のコースの教室を視察しましたが、どの子も明るく楽しく 自分の未来の職業訓練に取り組んでいました。自分の未来を自分で決めて進んでい けることが、どんなに子どもの自信に結びつき、自立に向けた歩いになっているかを目 の当たりにしました。


美容師コースの実習の様子:実技のモデル役は地域の人たちです。出来栄え保証の限りで はありませんが料金が格安なので結構利用されているとのこと。生徒たちの明るい表情がと 手も印象的でした。(2018年11月14日 職業専門学校にて)

日本も「学歴社会」から「能力や資格が重視される社会」に早く変えたいものです。それ が子どもたちの将来にわたっての幸せを約束するものではないかと思えます。そのた めの仕組み(就職先と連携した職業専門学校の設立)などを具体的に先進的に取り組 んでいければと思います。

デンマークは「子どもを国の宝」として大切に育てています。そして彼らが自立して、幸 せな人生を歩んでいけるための仕組みを用意し、子どもたちの意見を反映させながら 改善を続けています。職業専門学校はその一つの表れだと言えるでしょう。

★今回のデンマーク研修ツアーなどの報告については以下のスケジュールの「デンマ ーク研究会」、「春日デンマークラブ」、「デンマークを愉しむ会」でも紹介される予定 です。興味を持たれた方はご参加下さい。お待ちしています。

教育文化研究所
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電話 092-923-9339