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  3. 20180315号 タイトル:「人生を幸せにするのは何?」

冬の寒さが厳しかったので今年は梅の開花が例年よりも遅くなりましたが、ここ 数日間の気温上昇で早咲きの桜が咲き始め、なんと梅と桜が同時に楽しめます。 梅の花はそろそろ散り始めていますが、その散る様子もまた春の風情ですね。

暇を見つけては自宅近くにある天拝山に登っていますが、下山後は小さな川で 登山靴の土や泥を洗ってきれいにしていますが、その川にまるで美しい敷物の ように紅白の梅の花弁が散っています。そこに真赤な椿が落ちて一幅の日本画 を観ているかのように思えました。


★2018.3.15. 筑紫野市天拝山山麓 紫藤の滝近くで撮影

人生を幸せにするのは何?

2年くらい前にNHK-TVで「人生を幸せにするのは何?」と演題でハーバード大学 のロバート・ウォールディンガー教授がとても興味深い講演をされていました。その 講演の概略を紹介しましょう。

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ある人の全人生が展開されるのを観察しながら記録できないものかと、10代の頃 から老年まで追い幸福と健康の持続に本当に何が必要なのか探索しようと始めた のが我々の研究です。

「ハーバード成人発達研究」は 史上最も長期に渡って成人を追跡した研究です。 75年間724人の男性を追跡し、休むことなく仕事や家庭生活や健康などを記録し ました。勿論、その期間中我々は彼らの人生がどう展開するかは知る由もありませ んでした。

我々の場合は運が良かった事もあり 数世代の研究者達の根気強さのお陰でこの 研究は生き残りました。元の724人の内の約60人が未だ健在で今も研究に参加 しています。その殆どが90歳代です。新しく研究に2千人以上の彼らの子供達に も参加してもらっています。私は4代目の研究責任者です。

1938年以来 男性の2グループを追跡しています。1番目のグループは研究が始 まった時、ハーバード大学の2年生で第2次世界大戦中に大学を卒業し、殆どが 戦争に行きました。2番目のグループには ボストンの極貧環境で育った少年達が この研究の為に選ばれました。1930年代のボストンで 最も問題の多い貧困家庭 出身の人達だからという理由からです。水道設備もないような安アパートに彼らの 殆どが住んでいました。

研究が始まるとすぐ10代の彼らをインタビューし健康診断を受けさせました 我々 は彼らの家に行きご両親達もインタビューしました その少年達が今大人になり様 々な人生を歩んでいます。 工場労働者や弁護士、レンガ職人や医師になったり、 1人はアメリカの大統領になりました 中にはアル中になった人や統合失調症にな った人もいます この様に社会の底辺から這い上がり、ずっと上まで登り詰めた人 もいる一方、それとは反対の方向に人生を辿って行った人もいるのです

彼らの人生から得た 何万ページにもなる情報から分かった事は何でしょう? それ は富でも名声でも、無我夢中で働く事でもなく、私たちを幸福にするのは 良い人間 関係に尽きるという事です。

孤独は命取りで、家族 友達 コミュニティとよく繋がっている人程幸せで、健康だが ?がりの少ない人より長生きするという事が分かりました 孤独は害となるという研 究結果が出たのです。

孤立化を甘んじて受け、生活している人はあまり幸せに感じていないのです。孤独 でない人より寿命は短くなります。重大な事は 友人の数だけがものをいうのではな く 生涯を共にする相手の有無でもないのです。重要なのは身近な人達との関係の 質なのです。争いの中で暮らすのは健康に悪い事が分かっています。例えば愛情 が薄い喧嘩の多い結婚は健康に悪影響を及ぼし 恐らく離婚より悪いでしょう。愛情 のある良い関係は人を保護します。

良い関係は身体の健康だけでなく 脳をも守ってくれます。堅固な良い関係をしっか りと80代にまで持ち続ける人は その関係に守られています そういう関係にいる人 ― 何かあった時に本当に頼れる人がいると感じている人の記憶は明瞭です。

私たちは手っ取り早く手に入れられる生活を快適に維持してくれるものが大好きです。 人間関係は複雑に込み入っています。家族や友達との関係を上手に維持して行くの は至難の業です その地道な努力は地味で、その上それは死ぬまで続きます。

75年間に渡る研究で 定年退職後一番幸福な人は仕事仲間に代わる新しい仲間を 自ら進んで作った人達です。この研究の参加者の多くは彼らが青年期に入った時は 名声や富や業績が良い生活をするにはとても必要なものだと信じていましたが、75 年間、我々の研究で繰り返し証明されたのは、最も幸せに過ごして来た人はより良き 人間関係を築けた人々だという事でした。

今 あなたが25歳、40歳、60歳なら より良き人間関係を築くということはどういう事 なのかでしょうか? あなたに出来る事は 実際無限にあります テレビやパソコンの 前の時間を、新鮮さを失った関係を活気づける為、何か新しい事をパートナーとする 長い散歩とかデートなどです。

最後にマーク・トウェインの言葉を引用して終わります。一世紀以上前、彼は人生を 振り返り こう書きました「かくも短い人生に 諍い、謝罪し、傷心し、責任を追及して いる時間などない。愛し合う為の時間しかない。それが例え一瞬にすぎなくとも」

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この講演は「幸せになるには“なかよし”が一番」という私の研究理念を科学的な裏 付けを与えてくれたように思えて、とても嬉しく心強く感じました。マーク・トウェイン の言うように、私たちには怒ったり、恨んだり、争ったりしている時間などありません。 貴重な時間を、親愛の情に満ちて楽しく仲良く生きていこうではありませんか!

教育文化研究所
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電話 092-923-9339